【接待において気を付けたい席次】
接待においてはお店選びや料理の内容、接待の席での会話など場を盛り上げたり、
相手にいい印象を抱いてもらえるようにと色々と気を使われると思います。
その席で忘れてはならないのが席次です。
若い方などはあまり知らない、気にしないというケースもありますが、上の方や年齢の高い人ほど気にするものです。
また、「席は気にしなくていい」と好きな席に座るような度量の大きな社長さんなどでも、
高座を勧められて断るのと、最初から下座や検討違いの席や何も考えずに席を勧めてくるようなケースでは印象が異なります。
席次のマナーを知らずに適当に席を勧めているような場合は、口には出さないにしても常識外れと思われたり、
社会人として基本がなっていないと思われるケースもあるので気を付けなければなりません。
【上座と下座の存在を知っておこう】
取引先の方は上座に案内するのが基本中の基本です。
取引先の方が複数いらっしゃる場合には、地位や階級、年齢などの高い順に上座の順位を順に案内することになります。
まず、第一の鉄則は入り口から最も遠い位置に取引先のお偉い方を通すということです。
なぜかというと、入り口近くはお料理を運んだり下げたりで忙しなかったり、
廊下を歩く他のお客さんの音や声がうるさいといった落ち着かない場所であるとともに、
何かあったらすぐに飛び出してお店の方に注文などをお願いしたり、最初に出てお客さまをお出迎えしたりお見送りしたり、
会計なども済ませられる位置として、雑用的な事を直ぐに済ませる席に位置付けられ、
お客さまをお招きした方の中でも雑用的なポジションの方が座るべき場所だからです。
【部屋による違い】
入り口から一番遠い場所が上座、一番近い場所が下座というのを基本としますが、
お部屋の構造によって上座の位置が変わってくるので、ルールの基本を学んだうえで、
様々なお部屋のパターンを想定しながらケースステディをしておくと安心です。
接待によくある料亭や居酒屋などの和室の個室などの場合、
出入り口から一番遠い場所が上座なわけですが、床の間がある場合には床の間に一番近い場所が上座となります。
その後の順位は床の間から近い席から当てていくことになります。
洋食のレストランの個室やテーブル席では、入り口に一番遠い席に取引先の方を案内します。
中華料理の円卓の場合も入り口から一番遠い席を第一順位とし、第二順位はその方の時計回りに右側、
第三順位は第一順位の方の反時計回りの左側となります。
【取引客の階級を確認しておこう】
接待するお取引先が一人なら、その方を第一順位の上座にご案内すればいいですが、
二人三人と複数の場合はさらに注意が必要です。
上座の位置を学んだとしても、実際にいらっしゃるお取引先が複数いる場合に、どの方が一番偉く、
どんな役職や順位であるのかを確認しておかないと、適切な案内ができなくなります。
いつも会っている担当者以外に初めてお会いする方を連れて来るという場合、
その方の部下なのか上司なのかをしっかり確認しておきましょう。
和室やテーブル席において取引先が3人いる場合には、床の間に近い場所や、
入り口とは反対側のテーブル席に順に座ってもらうのではなく、基本は市場狙い方を真ん中に挟んで、
こちらから見て右隣、第一順位の方から見て左隣を第二順位の方、反対の席に第三順位の方に座っていただくのが基本マナーとなります。
【入口の一番近くに一番下の方が座ろう】
お部屋の構造や席のパターンによっては案内が難しくなりますが、それなりのお店を予約すれば、
席も決めやすいように配慮されています。
こちらから高座をご案内したにもかかわらず、「無礼講だ。」と言われて自由に座られた場合でも、
一番下となるあなたは入り口に一番近い下座を譲らないように心がけましょう。